これからの超高齢化社会で、生きがいのある人生を送るには、ライフスタイルや社会システムの変革が必要です。生きがいとは、生きる張り合いであり、人生の最後に生きていてよかったと思えることです。それを実現するためのキーワードは、「生涯現役」です。「現役」の「役」とは、役割のことです。
大多数の若い人においての役割とは、社会の一員、そして会社の一員として活躍し、お金を稼ぎ家族を養うということでしょうか。では定年を迎え、家族を養うという大きな役目の目途も立ち、暮らしの中心を職場から地域に移した人の役割はどうでしょう。戻ってきた地域での生活に、自分の存在意義、自己実現、更には生きがいといったものを感じることなく、日々を過ごされている方が多いのではないでしょうか。
「自由になったら趣味三昧」と楽しみにされていた生活にも、いつしか飽き、家庭に閉じこもることが増え、次第に気力も衰え、認知症状が現れ、体力も衰えるという方もおられます。実際、ゴルフを楽しんでいる方にも、スコアが付けられなくなり、認知症と判ることもあります。趣味だけでは、知らず知らずのうちに生きがいのある人生から遠ざかってしまいます。
一方、積極的にボランティア活動を行い、たくさんの人から感謝を得ている方もおられます。運動サロンに参加し、サロンのコーディネーターとしてイキイキと活躍されるようになった認知症の方もおられます。
人生の第2のフィールドである「地域」、その地域で生きがいのある人生を送るために、もう一度学びと交流による地域コミュニティを活性化する場が必要ではないでしょうか。その学びは、自分の存在感、意義を再認識でき、そして最終的に「地域コーディネーター」や「ボランティア」として活躍する、あるいは地域での「起業」を行うことを目標とした「学びの場」になり得るかもしれません。誰かの役に立ち、「ありがとう」と言われる自分に。自分のスキルやキャリアーを生かしたネクストステージを、このアップル学園前カレッジで学び、一緒に作りませんか。
医療法人 北寿会 理事長 北神 敬司